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⌖Yes⌖
???『ふふ、勇敢なんだね。そういう子、嫌いじゃないよ。
でも、その勇気が原因で時には命を落としちゃうから、
ちゃんと注意してね。
……何のことか分からなければ、今はそれで良いや。
それじゃあ、僕の秘密を一部教えてあげるね。
魔法少女っていうのは、
魔法の国から力を授けられた少女達のこと。
……まあ、ごく稀に少女じゃないのもいるけど。
その中でも、魔法の国に選ばれた有能な魔法少女は
魔法の国の運用に携わることになる。
人間の世界と同じように、いろんな部門があるんだ。
わるーい魔法少女を捕まえる監査部門。
魔法少女の人材育成に関わる人事部門。
他の世界との折衝を担当する外交部門。
主に魔法少女アニメの制作なんかに携わってる広報部門。
……あ、人間界で放送されてる魔法少女アニメも、
だいたいは実際の魔法少女の活動を
記録して映像化したものなんだ。
けっこう脚色入ったりしてるけどね。
ほら、キューティージュエルとか有名でしょ?
彼女達、大規模な試験で一度に選ばれた
割と特別な魔法少女達なんだけど……
最近姿を見ないの、何かあったのかな…
まあ、僕には関係ないから良いんだけどね。
話を戻そうか。
それぞれの部門どうしはすっごく仲が悪くって、
特に監査と人事は犬猿の仲!
っていっても、監査が一方的に人事を嫌ってるんだけどね??
なんだっけ、縦割り行政ってやつだよ。
魔法の国なのに世知辛いよね~。
そんな魔法の国は、ある目的のために
魔法少女を作り出してるんだけど……
その目的は、まだ言えないかな。僕も詳しくは知らないし。
でも、一部の魔法少女がそれに反発してるって話は聞いたよ。
笑っちゃうよね!
魔法の力を貰うと自分で決めておいて、
後で文句を言うなんて!
そんな連中が最近、なんだか怪しげな動きをしてるみたい。
誰が呼んだか「革命軍」とか「レジスタンス」って
呼ばれてるみたいだけど……
まあ、魔法少女になったなら一応注意するべきかな。
そういうのとはお関わりにならないのが一番だけどね。
今僕が話せるのはこれだけかな。
あ、ここで知ったことは他の誰かに言っちゃダメだよ?
じゃないと、どうなっても知らないから。
ここに辿り着いたことは、
自分だけの秘密にしておく方が無難かな。
もし魔法少女になったときのために、ね。
それじゃあ、そろそろお別れだ。
運が良ければ、次の春にまた会えるかもね。
Backを押して、10秒間目を瞑っていて。
そうすれば、元の世界に戻れるから。
じゃあ、また縁があればどこかで。
ちゃんと元の世界に帰るんだよ。
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